国立新美術館でフェルメールを観てきた
2007-10-07


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17世紀オランダの風俗画家フェルメールの「牛乳を注ぐ女」が日本で初公開されたと聞いて六本木にある国立新美術館に行った。9月26日から公開で今回は三連休だったためか人も多かった。初めて国立新美術館のなかに入ったが斬新な建築スタイルとその広さには圧倒された。早速チケットを買って入場してみると、アムステルダム国立美術館所蔵の17世紀の絵画がずらりと並ぶ。そして奥に進んで行くと、大きな展示場にぽつりと青い壁に一枚の絵が掛っていて多くの人が群がっていた。それが有名な「牛乳を注ぐ女」である。確かに直観的にいきいきとしたいい構図の絵だとわかる。この絵の分析ということでX線写真と解説もあったがちょっと余計な感じがした。

今回展示されたなかで17世紀にオランダで制作された版画の51点に関心を持った。フェルメールの傑作が描かれたほぼ10年後にアムステルダムで3点ノストラダムス予言集が印刷されている。それまでの予言集の表紙と異なりチャールズ一世の処刑とロンドンの大火を描いた版画が挿入されている。その絵のタッチは展示された版画に近い。当時は宗教画のみならずオランダ風俗画が数多く制作される土壌があった。それが枚数を多くさばける版画へと展開して予言集のような娯楽本の挿絵にも入り込んでいった。ノストラダムス予言の成就したと見做された出来事がこうして可視化されたのは後にも先にもアムステルダム版予言集だけだ。時代の雰囲気がそうさせたのだろう。

フェルメールの生きた17世紀のオランダは西ヨーロッパでも識字率が高かったというから、予言集が大当たりしてアムステルダムの出版社がひと財産築き上げたというのもわかる気がする。
[ノストラダムス]
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