浮動票の時代
2008-04-29


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ニュース番組を見ると大型連休に入ったというが、今週はカレンダーを見ても29日しか休みがない。世間の大部分はまだまだゴールデンウィークに突入した実感がないのではないだろうか。今日は休日だったので朝から横浜のほうに出掛けてみた。初めて横浜中華街にあるよしもとおもしろ水族館に行ってみたが、子供づれの家族向けといった感じである。電車での移動の時間に 長嶋一由 浮動票の時代 講談社+α新書 2007年 を読んだ。長嶋氏は31歳で逗子市の市長に当選した。いわゆる落下傘候補で、浮動票だけで選挙に勝ったという。この本ではその経験に基づく選挙戦を勝ち抜くポイントを伝授、その後は市長としての8年間の貴重な経験を実例を挙げながら余すところなく明かしてくれる。

最近、地方自治の首長として何かと話題になっているのが大阪府知事の橋本氏。これまで自分自身は行政との関わり自体希薄だったので、頻繁にメディアに取り上げられると、それまで知られざる事実が表面化してくる。しかも驚くべき内容が多い。この本では何の基盤も持たない新市長が行政のリーダーとして役所に入り、オール野党の議会とやり合う。そんな厳しい状況のなか、いかに自らの権限を最大限に用いて変革を起こしてきたか、苦労の歩みがわかりやすく描かれている。もしも自分が行政のトップに立ったとしたらどういった手を打つべきか、ある種ロールプレイングとして考えさせられる。行政のトップリーダーが権限を行使して組織を動かし結果を出すというのは、会社トップの経営手腕による業績再生と、やってることにそう変わりはない。

トップリーダーにはマニュアルなどあるはずもない。その時々の情勢に応じて迅速に決断を下す必要がある。スピードと実行、コスト意識、組織に血を通わせるための人事マネジメントテクニックなど参考になる点が多い。この本を読むと橋本府知事が今何をしようとしているのか、よく見えてくることだろう。
[読書]

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