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中島孝志 あなたの「言い分」はなぜ通らないか 講談社+α新書 2006年 を読んだ。いや正確にいうと読み直した。ハウツー本を選ぶときのポイントはそのタイトルに惹きつけられるか否である。直感的に手に取る事が多いのでたまに同じ本がかぶってしまうこともある。この本ではコミュニケーション能力を言い換えて、自分の「言い分」を通すというちょっと洒落た言い回しをしている。初対面の人との話すときのちょっとした「ひとこと」、本音を引き出す「聞く技術」、相手の見る目が変わる「話す技術」、心を自在に操る「切り返す技術」、心に届く「表現の技術」、ビジネスパーソンであればどれも身につけたいスキルである。
それぞれわかりやすい例を挙げているので、ふむふむ、なるほど、と読み進めていくと44頁の「天国と宇宙とでは、いったいどっちが遠いんですか?」全国こども相談室が答えた内容がデジャヴでよみがえった。ここにきてようやく以前読んだことに気がついた。子供相手の見事なコミュニケーションは、相手がどこまで理解できているかを推し量りながら相手に合わせて話を展開している。つまり自分が何を話したかではなく、相手に何が伝わったかが重要なのだ。実際、言葉だけで相手にすべてを伝えるのは難しいもの。そのためプレゼンなどでは図表やメモを駆使してなんとか伝える努力を怠らない。
この本では実際のシチュエーションに応用ができるように、会話のケース・スタディをふんだんに取り込みながら、わかりやすく噛み砕いている。後はそれをいかに実践していくかだが、そこが一番難しいところ。その局面での最善を尽くすべく、何度も何度もトライアンドエラーを積み重ねていく以外にスキルアップは図れないと感じた次第である。
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