世界でいちばんやる気がないのは日本人
2008-11-16


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可兒鈴一郎 世界でいちばんやる気がないのは日本人―成果主義が破壊した「ジャパン・アズ・No.1」 講談社+α新書 2008年 を読んだ。随分とインパクトのあるタイトルである。日本人といえば世界でも勤勉な民族として見られている、はずであった。それが異変が起こって日本人が極端にやる気をなくしているという。当然ホンマかいなとなるが本書の冒頭で「各国における従業員のエンゲージメント」のデータが示されており、思わずう〜んと唸ってしまう。エンゲージメントとは経営用語で仕事への意欲を表している。最近では勝ち組・負け組などと競争社会の二極化が進み国際競争力が凋落している。では仕事への意欲とはどのようにして測っているのか。

エンゲージメントは「組織の未来を真剣に考える」「現在の組織に勤めていることを自慢できる」という感情的要素と「所属部著の組織の業績への貢献度の理解」「組織の成功のための努力する意志」という理性的要素から成り立つという。なるほど、日本の風土では上層部からおりてきた仕事を着実にこなすのが美徳とされていて現場のマネージメントに問題がある場合が多い。その一因として成果主義の導入がある。日本では従来年功序列型の人事制度を取ってきたが、システムだけ欧米の「目標管理制度」を真似て、いきなり個人プレーを優先させるというのは無理がある。さらには人件費の抑制に利用と本来の目的を完全に見失ってモチベーションの低下を招いている。

この著者は北欧企業に勤めた経験からいかにしてエンゲージメントを高めていくか、アドバイスしてくれる。各章末にはポイントを箇条書きで挙げているという親切さである。確かに理解はしやすいのだが、本文にある「自分自身で考え、リスクを取って行動する。」と相反している感じがしないでもない。
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