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高校生女流棋士の里見が初タイトルの栄冠に輝く。世間の注目度も高く、NHKの夕方のニュースでも結果と会見が報道されていた。女流棋界の期待のニューヒロインの誕生である。長きに渡って女流棋界を牽引してきた第一人者の清水をタイトル初挑戦で破ったのだから世代交代の象徴的なシーンとなるかもしれない。倉敷藤花戦第2局の模様は上のページでネット中継されていたので合間を見ながらチェックはしていた。トップページには表彰式の模様がアップされている。里見は女流名人位戦A級でもトップを走っており、最終局の対清水戦に勝てば一気に女流名人位への挑戦も決まる。

戦型は里見が先手でいつもながらの中飛車。新戦法とオーバーラップする部分も多いので注目しながら観戦していたが、40手目清水の△８九角には驚いた。この手は無理筋と定跡書にも書いてあるはず。負けるとタイトルを失う大切な将棋で△８九角を打ってしまったのは何故だろう。おそらく初タイトル戦の里見を先輩として前夜祭などで気遣いすぎていつもの闘志が湧かなかったのではないだろうか。盤上は別とはいえ、そういう空気が清水の判断を微妙に狂わせたところはあったか。対して里見も決め手と見られる▲７五角を指せなかった。しかし次善手の▲６八金でも▲６五桂が好手で以降は手堅く有利を拡大し、投了図は大差となり見事な勝利を収めた。

その手堅さは週刊将棋の企画で男性棋士に教わったり、新人王戦で糸谷に教わった経験が生きていると思われる。タイトルを取ったことで今後は皆から追われる立場となった。いつも本人が言っている、将棋を楽しみながら指すことができればまだまだ伸びていくことだろう。