竜王戦第四局は相掛かりになった
2008-11-26


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初代永世竜王の座をかけた竜王戦は、羽生の3連勝。本局に羽生が勝つとあっという間に終わってしまう。羽生本人以外の関係者は声には出さなくても、ここは渡辺に勝ってもらい、もう少し竜王戦が盛り上がってほしいと願っていることだろう。ここまでの展開を見ると、羽生が安定した力を発揮しているのに対して渡辺の全体的な力負けの感じが強い。渡辺は他棋戦でも成績が上がっておらずなかなか復調の兆しが見えない。しかも本局の前にも順位戦では後手番で敗れており、最近後手番で苦労している。男らしく2手目△8四歩で勝ちたいというのはわかるが、もう少し工夫しなければ作戦的に損であろう。

羽生の作戦は初手▲2六歩の相掛かり志向。相手に的を絞らせない指し方は相変わらずである。対して渡辺は奇をてらうことなく△8四歩。最終局となるかもしれない本局でも自らの美学を貫いた形だ。上のサイトで棋譜を追ってみると、先手は▲2八飛と引いて棒銀模様。先の名人戦でも頻繁に登場した形である。羽生の先手相掛かりの勝率は24勝4敗、.857と凄まじく高い。これに対する渡辺の作戦は、後手番ながら積極的に中住いから2枚銀を繰り出す。悔いの残らないよう棋風に忠実に攻めに活路を見出そうというもの。羽生は3手損で銀を繰り変えて自玉を固める。明らかにカウンター狙いである。

封じ手の局面ではもうすでに7筋で歩がぶつかっているし、後手はこれ以上陣形を整える手もないことから攻める一手である。では具体的にどう指すのか、盤面を反転して少し考えてみよう。悩ましいが、攻めは歩の突き捨てからで△9五歩と見る。▲9五同歩は絶対手だけに自分だけ夜考えることができる。これまでの渡辺の戦略からすると△9五歩が有力である。明日は渡辺の頑張りに期待したいところだ。
[将棋]

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