ゴーン・テキスト
2009-08-13


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カルロス・ゴーン ゴーン・テキスト―ビジネスの教科書 文藝春秋 2006年12月 を読んだ。ゴーンといえば、瀕死の状態にあった日産を独特のビジネス手法で見事に再生させた経営のプロである。この本は副題にあるようにゴーンの経験から論じたすべてのビジネスマンへの明確なメッセージとなっている。グローバル化が進む世界のなかでいかに日産を復活させていったか、ゴーンのスピーチの抜粋はあたかも生きた教材であるかのように語りかける。この本は単なるビジネス書ではなく、後ろ半分には英語のテキストが載っており、付録にCDもついている。これを基に英語の暗誦の練習もできるような工夫がされている。時系列に沿って面白いエピソードも盛り込まれているので自分が経営者にでもなった気分になる。

ゴーンの金言集は、ビジネスはもちろんのこと、何か目標を持って突き進んでいく人であればその考え方は相通じるものがありいろいろと応用が利く。心に残ったものを少しメモしておく。「規範や前例にとらわれるな」新たな変革を起こす場合には、お役所のような事勿れ主義ではチャレンジすることもかなわない。目標を達成するのに障害となっているものが何なのかを見極めて挑戦すること。「優れた商品さえあれば、解決できない問題はない」なるほどこれが企業の鉄則なのか。最近のハイブリッド車のヒットを見るとよくわかる。「結果をともなわないリーダーシップは長続きしない」これは身近でも痛切に感じるところである。「グローバルに行け!」「「多様性」は強力な武器になる」「将来自分は何をやりたいのか」「失敗の中にこそ成功の芽がある」等々。

英語のテキストのほうは一部専門用語もあるが、割合平易な言葉でのスピーチなのでビジネス英語を勉強する人に最適である。そういえば一時期アメリカの大統領選のときのオバマ大統領の英語のスピーチも本になっていたが発想はまったく一緒である。CDも聞いてみたがゴーンの肉声はヒアリングのトレーニングにもなろう。聴衆のリアクションや一部ゴーンの日本語スピーチも面白い。
[ビジネス]

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