ノストラダムスのリトル・ブック
2009-12-03


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2012年のマヤの予言と何かと比較されながら、ノストラダムスの予言をちょこっと紹介した本が最近よく見られる。番外編集ムー不思議プレス『2012年地球滅亡スペシャル』にも「ノストラダムスの予言は本当に外れたのか?」(同書20頁)という記事が載っている。五島氏の10-72の解釈が2012年の危機のキーワードと一致しているので予言が回避されたわけではないと支離滅裂なことを述べている。1999年の四行詩は有名であるが、それ以降の予言になると年代が特定されていないため未来に充て込むかどうかは解釈者の胸三寸に過ぎない。この雑誌はムーのエスプリ満載の500円。本の作りは昔ユニバース出版社より発行された『エニグマ』という雑誌を何となく彷彿させる。

手元に1999年にHerbie Brennanの著した"The little book of Nostradamus:Prophecies for the 21st Century"(ノストラダムスの小本、21世紀に向けた予言集)がある。この本は題名通り92頁のポケット版である。ズボンのポケットにも入るくらい薄くて小さい。裏表紙の紹介を読むと、「ノストラダムスは我々の過去について正しかった。それを踏まえて未来についても正しいはずと信じる。・・・この本は21世紀を越えた予言に新たな視点を向けた増補版である。」本の構成を見ると、見開きで左ページに四行詩の英訳、右ページに著者の解釈が載っている。ざっと各々の解釈を見ても21世紀に当てはめる根拠が貧弱である。特定の年数を割り当てているでもなく単に著者の感性に基づく解釈のようだ。

本の最後に百詩篇1-48の四行詩が置かれている。その解釈を引用してみると、この詩は2000年の世界の終わりを予言したものではない。科学者に従うと、太陽が燃え尽きるのはまだ数百万年かかる。2行目にある7000年はキリストの誕生からの日付とすれば西暦5000年となり(?)、ノストラダムスの時代からの日付とすれば西暦7500年になる。この本には当然のことながら2001年の同時多発テロや2012年の人類滅亡などには一言も触れていない。古き良き時代の、未来に希望を持った著者の潜在意識が反映されたのかもしれない。
[ノストラダムス]

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