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野末陳平 定年前後の自分革命 講談社+α新書 2000年 を読んだ。先に紹介した『定年病!』の7年前に出た前作である。同じ著者ということもあり、書いてある内容はほぼ一緒である。サラリーマンにとって定年は人生における重大な節目であるというのは様々なエピソードを読むとよくわかる。ただがむしゃらに働いているときには定年後がどういうものかイメージできていないもの。定年後は自由な時間はそれこそ有り余るほど持てるのだがいったい何をすればいいのか、一時的なショックを受けて生き方を見失う人も多いという。今の時代は、例えば60歳定年でリタイアしてもすぐに年金をもらえるわけではない。
先立つものはまずお金である。しかしそれだけではない。いかに会社人間から家庭人間へとリハビリできるかで夫婦の関係もできるだけギクシャクしないよう円満に保てるはずだ。著者の知見を集めて定年後のノウハウを伝えている。ところでこの本は口述筆記で書かれたものと思われる。話の流れか、持ちネタが少ないのか同じ話がいたるところに出ていてくどく感じる。原稿を起こすライターがもう少しその辺をうまく編集したらよかったのに。内容は平易で一気に読めた。そのなかでどこかで読んだ文章テクニックを使っている。かの五島勉氏も用いた一人ボケ-ツッコミがいろんなケースで使われている。
団塊の世代の大量の定年退職を迎える昨今、時間も金も有り余るシニア世代を狙った新ビジネスがいくつも登場するかもしれない。自分が定年になったら何をするか。早めに備えておくことにこしたことはない。
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