棋王戦第三局は佐藤新手と羽生新手の激突になった
2008-03-08


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改めて三番勝負となった棋王戦第三局は最近流行のゴキゲン中飛車の超急戦となった。佐藤は竜王戦で△5四歩の新手で快勝、それに対して羽生は王将戦で▲9六角の新手を出して勝利を収めている。両者とも自信のある戦型なのである。今月号の将棋世界を見るとこの形が何度も紹介されている。付録の「ゴキゲン中飛車基礎知識」ではNO.39で最新形と紹介しているし、「イメージと読みの将棋観」ではテーマ2の「ゴキ中超急戦の結論は?」で羽生や佐藤の現時点の見解を知ることができる。それによると羽生は先手勝率5割、佐藤は先手勝率4割としている。プロの公式戦の結果でも後手が勝ち越しているのでほぼ両者のイメージ通りといえる。

佐藤は後手を持って4,5局指しているので今回はコレと決めて研究してきたと考えられる。もちろん羽生も最新形を避ける理由はない。大事なタイトル戦だからこそ佐藤新手と羽生新手の激突は必然だったのだろう。羽生新手に対する佐藤の解答は26手目△5三玉であった。あまりにも玉が不安定なので普通はない手なのだが、佐藤に十分な研究と準備があるのだろう。確かに難しい形勢のように思えたが、持ち時間の短い棋王戦では終盤1分将棋は相当つらい。44手目△6七香から流れが一本道に入り、先手玉に寄せがなかったことを思えばここが勝負所だった可能性が高い。解説では△6八歩を推奨していた。

これで羽生は2勝1敗と棋王奪取まであと一つに迫った。佐藤もタイトル戦で勝ったのが逆転勝ちしかないのではキツイ。次の先手番で納得いく戦型での得意の勝ちパターンを目指してもらいたい。
[将棋]

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