王位戦第四局は後手一手損角換わりになった
2008-08-07


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最近はタイトル戦のネット中継も棋譜だけではなくいろいろな工夫がされている。今回も羽生と深浦のインタビューが動画で流れている。毎回同じようなことを聞かれるので対局者も心得たものだろう。こうしたコンテンツが普通に配信されるのもこれまで閉鎖的だった将棋界が新しいデジタル化時代を迎えたと実感できる。対局の実況もリアルタイムで中継されているし、対局者の一挙一動が見られるのはファンにとってありがたい。しかし対局者が対局以外に気をまわすことも多くなったわけでその負担も大きいのではと察する。

深浦の2勝1敗で迎えた第四局は羽生が序盤早々角交換したことで流行の後手一手損角換わりになった。この一手損することで完全な同一局面というのがまだサンプルが少ないのでお互い未知の領域となる。序盤のポイントは後手が1筋の端歩を受けるか、受けた場合先手が早繰り銀か腰掛け銀かといったところ。本譜は早繰り銀に対して後手が4筋に飛車を回り反発力を秘めた形で迎え撃つ。しかし冷静に局面を見ると金が2筋に張り付いた状態で玉形も後手が弱い。主眼点は攻勢を取ることにあるのだが先手のほうが勝ちやすい形であるのは間違いない。羽生がなぜこの作戦を採ったのか謎である。

封じ手の局面は後手が積極的に仕掛けて銀交換を狙ったところ。平凡に▲4六同銀△同飛は飛車が移動すると王手飛車のラインに入るので先手がつまらない感じがする。反撃するならば▲4三歩から▲3二角の筋か。あるいはひねって▲6八銀とかわす手も考えられる。後手はここでポイントを挙げられないと苦しくなる。明日の羽生の指し回しが楽しみである。
[将棋]

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